自転車修理バカ戦闘日誌

工具もメンテが必要です、

 バイクにメンテが必要な様にメンテする工具もメンテが必要です。今回はパークのヘッドチューブリーマーHTR-1のセンタリングコーン。ココにはスラストベアリングが入っていて良く回る様になってるんですが1年に一回くらいのペースで分解整備をしてやらないと回りが悪くなるのとケミカルが劣化するのでそれの交換&クリーニングを行います。
バネをおさえている工具は 同社のBBベアリングツールCBP-3。もともとカンパのクランクのベアリング交換用の工具をちょうどいい加減なのでプレッシャーをかけるのに使っています。
それにしてもHTR-1はメンテする事を全く考えてない工具でいちいち作業がやりにくいのですよ。この作業だってバネを縮めたらスナップリングプライヤーでCリングを取れる様にしてくれりゃ簡単、そうでなけりゃマイナスドライバーでこじれば取れる様にミゾでも付けといてくれればいいんですがそれも無い。劣化したグリースに埋もれたベアリングも外しようが無いのでケミカルで緩めてから反動で取るしかない。しかもベアリングはニードルタイプなのできっちり張り付いちゃってなかなか取れない。

世のメカニックたちはいったいどうやってこいつの維持管理をしているのでせう???

精度はどんどん悪化しているような、

 このところインテグラルヘッドの切削やインテクラルのベアリングがどうやっても外れない等のオーダーが増えている。以前からもその種のオーダー自体はあったがどんどん精度が落ちていってるような気がしてならない。
今回は届いた新品フレームにベアリングが全く収まらないとの事、あてがうとなるほど収まらない。以前なら「無理矢理突っ込めば入ります」だったが今はどうやっても入らないフレームがチラホラ出てきている。切削するとご覧の通り削りカスが大量に出てきてこっちとしても歯の消耗が早くなっちまって困者だ。
品質管理をおざなりにしても商売が成り立っちまうんならまあいいやと思う輩が出てくるのは当然の事で性善説に基づいて消費行動をとるのはグローバル化された現代社会ではオバカのやる事だ。利口な人は性悪説にもとづいて二の矢を用意しておくな。
安さに飛びついて痛い思いするんならそれはそれで致し方ないが今どきの自転車業界では正規ルートを通したって モノは一緒、だから仕組みを理解して自分に有利に事を運ぼう。
ちなみに一定数のだまされる人がいるのは利口な人にとってはありがたい仕組みだ。だまされた人の金で次の商品が開発され、その中から傑作やイノベーションが生まれるかもしれん。 各種レースやイベントのスポンサーになってくれたりして全体を盛り上げる効果も期待出来る。
ありがたや ありがたや。

マボロシが追加で入荷するも気分は複雑、

 FH-IM70が束になって入荷した、忘れた頃に入荷した。ここまで数が在るともうマボロシではないんだが多分数ヶ月後に発注すると在庫無しと言われて再度マボロシと化す。その後また数年は入荷せずカタログ落ちになるのがいつものパターンだ。ママチャリ系を改造する人など世間ではごく少数だし改造に適したパーツの情報もごく限られている。ネット上にさえほとんどインフォメーションが無いのでママチャリ&シティーサイクルは改良不可と思うのが普通だ。ショップとしてもめんどくさい割には金になんネェよと考えているのでなにかあれば買い替えを勧める。
(さらに…)

クラウンレースカッターCRC-1の使い方

 1.5の下玉押しが増えて出番が増えているクラウンレースカッターなのだがデフォルトの使い方だとどうにもうまくいかない。というか100kgの体重と怪力を持っていればなんと言う事も無いのかもしれんがどちらも持っていない飯倉としては他の方法で解決するしかない。
あれこれ試行錯誤を繰り返しているが最新の環境はコレ。ホーザンC-445で上からプレッシャーをかけつつNSKのスラストベアリングで抵抗を軽減。DVDの「工具の使い方・・」でも解説しているが作業はなるべく楽にこなすのがベストなのであって腕力でなんとかしようというのは間違っている。道具で可決出来るところは道具で解決すれば良いのであって根性とか気合とか情熱とかの出番は無い。必要なのは結果であって過程ではないんだから。

ちなみに1.5は径が大きいから精度がより問われる様になった、というか精度の悪さがバレやすくなった。 他のショップからの依頼も多少受けるが費用対効果で外注した方がGOOTなら躊躇しないショップこそ良いショップだろう。
ちなみにサイメンでは個人でも他のショップからの外注作業でも同料金で受けている。

サッパリ意味が分からんパークツール#752&#791

BB30用リーマー#752とPF30用リーマー#791が入荷したとの事なのでさっそく購入したが使い方が良く分らん。リーマーなんだからあれこれ考えなくたって現物にあてがってみれば判るはずがBB30?PF30?どっちも表記が間違ってるんじゃなかろうか?それに付属しているガイド?コレまたどう使うんだろう?合う規格のもあるがカタログとは合わない。そもそもカタログと現物が微妙に違う。型番の表記もカタログのと違うしこれで合ってるんだろうか??工具を購入して使い方に悩むなんてのはどうしたものか、現状ではホーザンからの連絡待ちという情けないことになっている。

ナゾがナゾを呼んで次週へ続く みたいな、

段差でヘッドパーツが抜けないなら、

 未だに20台に1台くらいの割合でヘッドチューブに段差があってヘッドワンポンチが上手く引っかからないやつがありますねぇ。初めて遭遇したのは20年前以上のTVTですがそのとき以来アイストングを曲げた自作工具で対処していたのだが最近はフレームの精度が悪くなっているのかなかなか抜けないやつが増えてきたんですよ。作る側も鼻っから後々HPを交換するなんて考えが無いというか売っちまえば後はどうでもいいというか。
最近はスナップリングを中に突っ込んでヘッドワンポンチを引っ掛ける様にしています。コレでもガチガチに入っているやつだとスナップリング自体が 曲がっちゃうんだけど使い捨てと思えば十分オッケーです。
売った後のことは知ったこっちゃ無いVSナニがなんでも治すサイメン。 かかってこいや! 

固定が肝心なのですよ、

 なにか作業をする上で固定がどれだけ肝心かは想像しがたいものがあるようでスクールの生徒さんにも固定の算段をじっくり説明する飯倉にイラッとしている場合がたまにある。
固定する方法も様々だがパーツなら万力に固定出来ればベストだ。サイメンのは120mmのをアンカーで床に固定しているので いかに万力に銜えさせるかがキモになる。今度出たパークのバイスアダプターAV-5は今のところ成績優秀。自転車専用に造られているんだから当然なのだが・・・当たり前に当たり前の事をする、それが仕事ってもんじゃないでしょうか。

魔球を願っちゃいけません。

ISIS久々にさわったなぁ〜、

在庫のラスト1が売れてヤレヤレと思っていたのだがしばらくしてお客さんが右ワンが入らないよーっ!と出戻ってきた。なんじゃりょかいなと飯倉が工具をあててみるとなるほどシマノ(手前と真ん中)だとダメだ。 で、パークの(一番奥)だとパチッとはまる。そうだったっけ???しばしアイシスなど触ってないから忘れちまっている。パークのだけ0.3mm薄いんだよね。
そういえば7970のチューニングの仕方ももう忘れていそう・・・忘れたな。
いずれにしても工具をあれもコレも揃えておけば現物が目の前にあればなんとかなっちまうので現状路線は維持って事でいきますよ。

果てしなく切削工具が増えるぜ、

BB30用とPF30用のリーマーとアタッチメントが入荷。この2つだけで定価で言えば9万円以上、不燃ゴミの日に捨ててあってもだれも疑問に思わないであろうコレがだ。
果てしなく増えていってもはや全ての規格に対応できるショップなどわずかであろう事と売りっぱなしなショップのおかげでお客さんから感謝されちゃうんだからなんだかなぁ〜なのだが現実がそうなんだからそれに合わせていかんとな。

ママチャリいじるのには訳があるのさ、

 そこそこのロードバイクやMTBなんぞいじったってたいして変わりやしないよ、ティアグラのチェーンホイールを大枚はたいてデュラのに変えたって何が変わるってんだい?
ところがママチャリをいじると元がダメダメだから飛躍的によくなるのよ。でもね、ただ単に高いパーツに変えりゃ良いってもんじゃない。なんせスポーツ車とは用途もポジションも違うんだからそれ相応の事をやんなきゃネ。
写真は自宅のママチャリの新サドル。デフォルトと比べると腰の位置が安定するだけでなく ペダリングもしやすくなっている。シートピラーも250mmのからアルミの400mmのに。ママチャリってどうして今時の日本人の体型を無視してるんだろうね??
両方で200〜300gくらい軽くなってるだろうけどベースが重いから軽量化してもココんとこにはほとんど意味はない。
このサドルにした理由はママチャリポジションでも対応できる形状、多少のショック吸収をしつつも腰の位置を安定させる、ペダリングの邪魔をしないの以上三点だ。元々サドルってのは腰の位置を決める物であって座る物じゃないのに既存のママチャリのはどっかり座る様になっている。
ママチャリってミスリードしておいてそのミスをフォローする様に進化したんだと思うんだよね。世間の皆さんがミスリードされっぱなしなのはそれはそれで自分で選んでるんだからどうでも良いと思うけど自分までつき合う気はないです。キリッ!