2004年2月10日アンあんア〜ん!
前にも書いたような気がするのだが公務員が意外に自殺率が多いのはご存じだろうか?自衛隊では自殺予防のためにカウンセラーまで(もちろん税金で)雇っているぐらいなのだ。なぜに自殺が多いのだろう。理由としては家庭の不和や借金を苦にということになってはいるが根本の理由は違うだろう。
私はその理由には二つあると思っている。
一つの理由としては自分の存在を認識できなくなってしまうからではないだろうか。
公務員は昇進のスピードは入ったときのステータスですべてが決まるのであって入った後にいくら勤勉であろうが誠実であろうが煙たがられるだけで評価はされないのだ。なぜ煙たがられるって?一部の人が勤勉に働くとその他大勢がまるでさぼっているかのように見えるからである。全員でのらりくらりと時間をつぶすのが公務員の本道である。間違っても効率良くとか納税者のためにとか考えてはダメなのだ。建前としてのそれはよいし税金を無駄遣いするための口実としては良くても本当にやったらまわりから嫌がらせをされるだろうし上司からは協調性がないと教育的指導をされるのである。
後はまわりに合わせてただダラダラと日々を過ごすしかない。これは世間では厳しい仕事をしていると思われている自衛官も同じである。
このような状況は誠実で勤勉な人には悲劇といわざるをえない。自分のやろうとしていることがひたすら回りの迷惑でしかないのだ。さらに本来自分のやるべき事と実際やっていることが違うことに気がついてしまうのだからやるせない。何とか自分をごまかして毎日を過ごしても日々たまるストレスをギャンブルや趣味で紛らわせるしかないだろう。ストレスに対応すべくギャンブル等にのめり込んで家庭内の不和や闇金に追い回される羽目になったりするのである。
根本の問題は自分のやりたい仕事やるべき仕事と日々おこなっている仕事にあまりにギャップがあることとそのギャップに気がついてしまったという事だ。さらにその仕事が無意味に激務だったりする事もある。
いやなら公務員をやめてしまえばいいのに家族を言い訳にそれもできない。公務員の職を離れて新しい世界に移ることに対する恐怖におののいて立ちすくみ膝をがくがくしている一方で利己的で共栄心と傲慢さが満ちた自分がいる。この矛盾を可決する手段として自殺を選ぶのだろう。
もう一つの理由としては未来があまりに予想できてしまうことの弊害だ。
何年先にはこのくらいの階級でこのくらいの金額の給料をもらって何歳からいくらの年金をもらってということすべてが見えすぎるのだ。公務員というのは能力があろうが勤勉であろうが給料にはまったくといっていいほど関係がない。
面白い事という物は先がいえないから面白いのだ、たとえばパチンコ大好き人間がパチンコ店にはいるときにあなたは今日はこれだけ玉が出ます、それ以上でもそれ以下でもありません他にあなたに出来る選択肢はありません他店に行っても状況は同じです。といわれたら面白くも何ともないだろう。ジェットコースターもわざわざ人が予想するのと異なる方向にひねりを入れて設計するそうだ。予想外なことがあるから面白いのだ。言い方を変えれば蛍光灯で隅々まで照らされた部屋のような物だ。あまりに見えすぎて落ち着かない部屋。人は陰影のない中に長時間放り込まれると発狂するのをご存じだろうか?
予想できてしまう人生、その予定に自分の意志も能力も個性もほぼ反映されることがない人生への唯一の反逆が自殺のような気がしてならない。自殺した彼らにとって自分で決定できた唯一のイベントが自殺なのではないだろうか?
自殺とは自分自身に対する殺人である。自分で自分の生命を絶つということはすなわち自分に価値がないと思っているということである。自分自身に価値があると認めることさえ出来ればたとえ家庭内にいざこざがあろうと借金があろうと生きていけるはずである。
安定安心安全のアンアンアンは得たが自分は失ったでは本末転倒だ。なんの考えも無しにひたすら公務員を目指す学生諸君には役人(もしくはそのたぐいの)生活はたしなむ程度をお勧めしたい。ちなみに私は4年間たしなんでみた。良い経験であった。
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