2006年10月12日 めげるな(わがままな)若人
ちまたでは格差社会だのニート問題だのと騒がしいが周りがそのような問題で悩んでいるからと言って自分も巻き込まれる義理は無いだろう。あんたはあんたでいれば良い。
ちなみに今回は飯倉が今のようなおっさんになる前、つまりが青二才だったころの事を話そう。
実は飯倉はわがままだ。前にもわがまま肯定論を書いたが青二才のころはダイレクト直球わがまま(なんだそれ?)だった。最近はおっさんと化してそれなりになったがそれでもわがままな性格は一生このままなんだろうな。
こんな飯倉でも生きていられるんだからこれを読んでいる若人のあんたも大丈夫だよ。
さて今回は飯倉が高校を卒業した所から話してみよう。
飯倉は実家のある千葉県茂原市で生まれてそのままそこに定住、高校も自転車で通えるという安易な動機で市内の高校へ。
誰しも卒業後の進路は悩むだろう。青二才飯倉も悩んだぞ。で、自衛隊 なんでやねん?
ここでまた安易な動機が首をもたげてきたのだ。大学に直に行くのではつまらなそう、このまま就職するのはもっとつまらなそう・・・で、自衛隊に行って機関銃をぶっ放そう!!!そうだそうだそうしましょう、という事になった。大学は夜学行けばいいし一石二鳥だ、めでたしめでたし。
って、めでたくない!
なんでこういう選択になるかなあと今になっても自分の行動に不信感をもつ(他人はもっともつ)のだがなってしまったのだからしょうがない。
まずは富士の裾野の普通科教導連隊(御殿場)ってー所につれてこられた。レレレっ!大学のある東京じゃないの?話違うじゃんと思ってもつれてこられちまったからしょうがないわな。
入隊して半月もするとマイアサルトライフルをもらえる(嘘です借りられる)。うれしかったぜ!18のガキが7.62mmNATO弾をぶっ放せる銃を手にしているんだからな。
ワーッはっハッはっ!これで世界は俺の物。ナわけねーな。
そのうち千葉地連(自衛隊の求人をしている所)が会食と称して様子を見に来た。ここの担当者に大学に通いたいから東京の部隊へと約束しておいたのに嘘をつかれたのだ。
会食でそれぞれ一言ずついいなさいと言われた時に同期はみな当たり障りの無い事しか言わない中で青二才飯倉だけは違っていた。
担当者との約束が違う!東京の部隊に移してください!
声が想定外にデカかったらしい。周りがシーンとしてしまった。
で、三ヶ月後には32普通科連隊(当時市ヶ谷)に移る事となった。よっしゃー!
未来は自分の力でつかむものだよヤマトの諸君。
まだ新入りの青二才飯倉は教育課程を修了するために一時期第一空挺団のある習志野駐屯地にご厄介になる。ここの室内射場はイカしている。イカしていると行ってもイカが泳いでいるわけではなく天井が銃声を反射して何ともいい音がするのだ。ドキューン!っていうアレですな。これが富士の屋外射場だとパンパンって音になっちゃって拍子向けなのね。62式マシンガンなんかもいけてるゼ!イラクに持っていって話題になったカールグスタフも室内射場で打たせてもらいたかったがそりゃ無いな。
自衛隊での生活といえばさぞかし厳しい物だと思うでしょ?ところがどっこいあそこは軍隊というより役所だからけっこうラクチンなんですよ。衣食住付き、実弾射撃有り、運転免許等を給料をもらいつつほぼただでゲット!元々やる事無いから残業無しと考えようによってはなかなか美味しい所です。
さて、念願のマシンガンも撃ったし学費ゲットだし自衛隊は残業無いから通学楽勝だし端から見れば苦労人のような飯倉ですが本人はいたってのんきかついいかげんに・・・と言いたい所ですが要所要所はおさえておかなければいけません。
まずは嫌がらせをしてくる下士官をおさえなければいけません。自分の部下が大学に通学しているって事は将来的にこの部下が上司になって帰ってくる可能性があるという事です。必然的に通学は妨害されます。
通学するには申請が必要です。この申請には直の上司(下士官)のハンコが必要になるのですがその申請のタイミングになるとその上司が行方知れずになります。こっちは時間が迫って必死ですが探すのよりかくれる方が簡単ですからなかなか効果的な嫌がらせです。
ここで青二才飯倉は一計を案じます。部隊の放送室に無断で入って隊舎内すべてに聞こえるように放送で上司を呼び出すのです。当然こんな事は許されない事で青二才飯倉はおこられるのですが減給などの事務的な処分は有りません。ここは役所です。そんな記録に残るような事をするほど皆さんおばかでは有りません。
で、上司はもっとおこられます。これで二度と嫌がらせはされません。
次におさえておかないといけないのは勤務割りをする古参の下士官です。
だいたい飯倉は一言よけいだったり、言ってる事がわりと正しかったりして反感を買うので勤務割では貧乏くじが回ってきます。たまたま勤務割りで嫌がらせをしてくる古参の下士官が演習中の小隊長だったりした時がチャンスです。貧乏くじ担当の青二才飯倉は行軍の時にはライフルではなく重い機関銃を持たされます。撃てば楽しい機関銃も持ってるだけならただのお荷物です。
さて、行軍は夜間に行います。夜の間に移動して場合によっては夜明けとともに攻撃になる事も有ります。ここを逃してはいけません。フル装備で数日間行軍した後ですから皆疲れています。疲れてへとへとになっている中で突撃ー!とか命令が下るわけで皆ヨロヨロと怒られない程度に走るわけですね。
で、機関銃手青二才飯倉いきまーす!
すかさず猛然とダッシュ、後ろから古参の下士官が「飯倉まてー!」とか叫んでいるのは無視です。なんせ突撃してるんですから周りは空砲や装甲車の騒音が混じってますので命令が聞こえなくてもおかしくはありません。聞こえないふりも通用するわけです。で、なんで猛ダッシュするかと言えば歩兵小隊にとって機関銃は虎の子ですから守らんといかんのです。その機関銃があれよあれよと前に行ってしまうのですから全員追っかけないといけないんです。適当に手を抜くはずが全員猛ダッシュ。後ろが近づいた所で第二ロケットに点火!さらに猛ダッシュします。
実はこの時脳内麻薬が出まくっていたらしく足に枝が突き刺さったまま走ってたんですね。どこで刺さったのか覚えていない。状況終了の無線連絡があってほっとしたら足の痛みに気が付きました。これも本部管理中隊の衛生がたまたま近くにいてあっさり手当てしてくれました。
怒られなかったかって?怒る側がへろへろになっているんだから怒られません。
これで最終的に飯倉には手出しをしない方がいいという雰囲気が出来上がります。
もちろん後のフォローも肝心です。撤収の際は進んで片付けます。古参の下士官が事務仕事などでドジを踏んだ所はフォローします。こうすればすべてが丸く収まるわけです。
肝心なのはこれらを労働と思わず楽しい遊びと思ってやる事でしょう。そうすれば事がすべてうまくいきます。
今回はこの辺りで終わっときます。
さてさてこんなふうに青二才時代を過ごした飯倉を参考に現代に生きる若人諸君も要領よく生きてくれたまえ! わーっハッハッはー!
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