2007年7月23日
茶道を習うも道険し、その後
このほどお茶会で始めて亭主をつとめさせていただきました。アチョー!
お茶会で亭主というと要はお茶を立てる人です。お客さんを迎える側のトップという事になりますので考えようによっては主役。主役と表現するのが不適でも一番肝心な存在であると言えます。
ふらっと茶を習い始めてたった一年で亭主をつとめる事になるのですからチョー緊張なのです。
なんせ仕事の合間の週一回に満たないお稽古しかこなしていないのでお手前が体にしみ込んでいない。ゆっくり自分一人では出来る事でも大勢の人様の前(今回はお客様が十人ほど)で一回で失敗無く一通りの所作をこなせるかと言えば自信がありません。
自信のなさはそのままお点前に出てしまいますのでこれはまさに「道」なのです。
自転車レースでも本番で力が出し切れるか否かはそれまでの蓄積がものを言うのですがレースなら本番を根性と気合でこなせても茶で人様をもてなすというのは力んでもどうにもなりません。
今回の茶会は通っている茶道教室の茶会でいわば身内の催しですから先生からも「間違えてもいいのよ、おほほホ〜」などと言われていたのですが亭主をやる側の身としては うううううっ!と言いたくもなります。
で、いよいよ当日。夏の茶会なので新調した浴衣で出動。図体のでかい飯倉はキングサイズの反物で仕立てた浴衣でもぎりぎりというなんとも厄介なボディーです。それでいてウエストは無いのでタオルは必須。コレをしないとかっこ悪いだけでなくお点前中にズルズル帯が上に上がってきてしまうのです。
毎回この茶会では2回客としての席が設けられるんですな。飯倉はそれに付け加えて亭主一回。亭主のサポート役の半東(はんとう)を一回と計4回茶室に入ります。
じつは飯倉、この半東の仕事がイマイチ分かっていない。自分が亭主を行う前に一度客として他の亭主&半東の仕事ぶりが見られるプログラムになっているのでそれを見てそのまま真似すれば良いなぁウッシッシ!とかってに考えていたのですがその肝心な半東さんが飯倉よりももっと分かっていない人物だったのでウッヒョー!
そのまま本番に突入。こうなったら破れかぶれだー なんてわけにもいかない。
幸い空き時間に諸先輩方からアドバイスをいただき事無きを得た飯倉はまずは亭主を。
本番ではいつも使っている練習用の茶器ではなくそこそこの品を使わせてもらえる。言い方を変えればいつものとは物が違うので別の緊張を強いられる。
お手前では茶碗を清めたり茶を立てたりと諸処の動作があるんですが始めて扱う茶器でのそれは違和感があるのは当然!力の入れ加減や茶筅の速度をその場で判断して適当に調整してやらないといけない。
こういう場合の事を考えると茶器もマイ茶器をスタンバイした方がモアベターだろう。いつかやろう。
亭主と半東は組んで交代交代に行いますのでバディーの良し悪しにも影響されます。
さいわい半端者飯倉と今回組んでくれたのはベテランな男性だったので助かりました。
最初に飯倉が亭主。バディーが半東です。手前はしっかりお稽古で習ったのでそこそこ自信があったのですが本番でのお手前はやっぱり緊張します。
しかも左利きの飯倉にとって全てが右利き用に出来ている茶の手前は肝心な部分が全て右手で行うことになっています。例えば柄杓(ひしゃく)で湯を汲むのにもきちんと決った動きがあるのですが利き手ではない右ではどうしても完璧には決りません。
それでも一年間の稽古のかいあって少しは様になってきたなあと思っていたらやっぱり本番では柄杓が震えてしまいました。
茶をふるまった後は主客と亭主で道具の問答をしないといけません。
亭主はその日集まるお客さんに最大限楽しんでもらえるようなしつらえをする訳でそれは掛け軸や花、茶器に至る隅々まで気を配るのが正式な形です。
もちろん今の飯倉にはそこまでのもてなしなど出来ませんので自分の出来る範囲内でと言うことになりますがそもそも茶器でさえ教室の物ですから主客との問答も先生から教えられた通りに答えるだけというけっこう恥ずかしい事をやっているだけです。
心配していた致命的なミスも無く亭主の役目を終えた飯倉は水屋手伝いをしてくれた方々とも礼をかわし今度は半東です。
亭主の手伝いと言っても亭主同様きちんと決まりがあります。亭主の手前が滞り無く進むようにお客さんに菓子を勧めたりしないといけないのです。
ところが亭主の手前が始まってから先生が床の解説を始めましてそれがなかなか終わらない。先生の話をさえぎってまで菓子を勧める訳にもいかないので飯倉ピンチです。
すらすらと掛け軸の説明が終わって息継ぎをしたその瞬間。
「少々早めではありますがお菓子をどうぞ」
半東飯倉改心の一撃です。今思えばあの一瞬を逃せば香入れの話がダラダラ続いたはずで飯倉グッジョブ!でした。
最近はレースとも疎遠になっていたので本番で緊張するってーのも久しぶりでした。いずれにしてもシャンとしないといけない行事をたまに挟むって〜のは日々の生活にメリハリ付ける上で良い事です。
今回お手前を行ったのは20人ほど。そのうち男は飯倉と飯倉のバディーをしてくれたベテランさんだけですので比率は1:9って事になります。
男よ、もっと道楽しようぜ!
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