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2004年1月10日サス やばくないか?
テクニカルサービスのリカのページでも書きましたがサスペンションはオーバーホールしながら運用する物です。風呂に入らなくても人間生きていけるようにオーバーホールしなくてもサスは一応機能しています。
 どちらさんもオーバーホールの必要性は薄々感じているのですがまあ良いかそのうち新型買うから・・・。ですませているんでしょう。
 私は自転車用サスが流通する前からリジットバイクで山を走っていたわけですので当然初期の頃のサスの良さ悪さも知っています。初期の頃はエラストマーだけでコイルバネ等使わない物が多くて小さな衝撃は吸収してくれませんでした。ロックショックスがオイル&エアーのMAG21を出したときはけっこう衝撃的でしたよ。
 そのころからサスのオーバーホールはお約束な作業だったのですが今とは少々勝手が違います。昔は種類が少なかったせいか補修パーツやチューニングパーツが比較的簡単に手に入ったんです。モデルチェンジもそれほど頻繁じゃなかったし。必要な強度もわからなかったんでしょう。頑丈です。メカもシンプル。
 それが今じゃあまりの種類の多さ&毎年のモデルチェンジ、マイナーチェンジのおかげでどれがどの図面やらかもわからないような状態です。
 輸入代理店の変更でWEBからの情報も不安定だったりとじつに迷惑な状態です。補修パーツも入るような入らないような。でもこれだけ補修パーツの流通が良くないところを見ると直す人の絶対数が少ないって事でしょうね。メーカーとしても直すユーザー向けの体勢を取るより販売する種類を増やした方がよいって事でしょう。
 その結果しわ寄せが来るのがきちんとメンテして使いつづけようとするユーザーとショップです。さらにそれに拍車をかけるのが最近の高級サスの構造です。ひたすらメカをぶち込んで複雑かつデリケートすぎるメカニズムになってます。

これがプロがメカニシャンのバックアップの元にレースで使用するならわかりますよ、実際使ってるんだろうけど。一般ユーザーが使うには明らかにオーバースペックというか不適切な設計です。
 プロは長くてもワンシーズン使えていれば良いんです。だからぎりぎりの設計で良いんですよ。ところが一般ユーザーは何年か使うつもりです。しかもメカニシャンのバックアップ無しにです。そのような環境なら複雑すぎるメカはやめて各パーツの強度も余裕を持って設計すべきです。
 写真は先日オーバーホールしたロックショックスSIDですがパーツの一部に少々問題有りだったにもかかわらず部品入手きわめて困難で仕方なくそのまま組み付けました。
 各パーツは極限まで軽いパーツを使ってますので金属疲労もさぞ早かろうといったところ。
 軽いサスは使用中はかなり歪みながら動いていますのでパッキン等にも不均等な力がかかっているはずです。しかしこのパッキン類も入手できるか否か???です。
 使ったオイルは3種類、その他油脂類が4〜5種類使用しました。一般ユーザーが手を出せる作業とは言えません。

 オイルを入れる作業に関しても特殊工具を使用しての作業になります。本を見てわかるって範囲を超えてカンもかなり使います。アウターチューブを動かしつつ抵抗の具合を見て中の状況を判断する必要性も有りです。
 結局一般ユーザーが出来る事はトップモデルを買わないことではないでしょうか?
 トップモデルから3グレードくらい落ちた物はけっこう値段も程々かつ軽量化も極端にされていないので好感もてます。メカも複雑すぎないし。
 トップモデルからどのようなところでコストダウンしたかをチェックすべきでしょうね。いらないメカをつけて故障率を上げた上に値段も上がってでは問題になりません。やたら軽いチューブを使っているのもNGですよ。走っているときにチューブが歪んで結局サスの動きをスポイルしているはずで本末転倒です。
 どうかブランドや名前だけのグレードに惑わされず自分にとって必要十分なパーツをゲットしてください。ゲットした後のメンテ(予算組)もしましょうね。
ちなみにこの作業で工賃\7,000-油脂代\1,000-合計
\8,000-になります。

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